毒入り餃子事件が発生して食の安全に関心が高まったが、世の中食品添加物ばやりである。ありとあらゆる食品に添加物が含まれていてスーパーマーケットなどで添加物が含まれない食品を探すのは至難の技と言ってよいほどだ。保存料、酸化防止剤、膨張材、増粘多糖類、発色材・着色料、人工甘味料、人工調味料等々いろいろあるが、その多くは化学的に合成されたもので、その安全性を心配する人は数多い。
運動中は水を飲むよりスポーツ飲料を飲むほうがよいと言われるが、スポーツ飲料だって僕に言わせれば添加物だらけだ。添加物のすべてが悪いと言うつもりはないけれども、添加物の原材料や製造方法にはかなりの不安を感じている。植物由来とか天然由来というといかにも安全なように聞こえるが、原材料そのものは安全だとしてもその精製・加工過程においていろんな化学物質や触媒などが使用されることが少なくないようで、当然出来上がった製品にその残留成分が混じっている可能性は十分想像される。   ごま油や菜種油など、本来は機械的に圧搾してしぼり出したものだが、今は大部分がなんらかの薬剤で種子を溶かして油分を抽出していると聞く。だとすると、そこに薬剤が溶けて混入しているかもしれない。    さらにこのごろ各種サプリメントや「とくほ」と呼ばれる健康食品や医薬品がもてはやされていて、テレビでも盛んに宣伝している。中年以降健康や体力に自信がなくなってきた高齢者ばかりでなく、若年層でも利用する人は多く、中にはいい加減な食事をしていながらこれを摂っているから大丈夫といわんばかりの人までいる始末である。
		このスポーツ飲料は各種アミノ酸を多く含むが、それをどのように作り出しているかが気になるところだ
いつまでも健康でありたいという願望、さらに美しくありたいとか、若さを保ちたいという思いは人間の本能的願望と言ってよいかもしれない。そしてそのためにサプリメントやとくほに大きな期待を寄せる。    だが僕に言わせれば、サプリメントもとくほも「身体添加物｣である。肉体の発色材・着色料であり、保存料・品質保持材であるのだ。まさしく酸化防止剤ならぬ老化防止剤ということになる。それもどれほど効き目があるのか、あるいは一時的には効いても思わぬ副作用がありはしないか、なんとなく疑わしい老化防止剤である。    サプリメントやとくほがあるからと安心するのではなく、基本はきちんとした食事や睡眠、運動など日ごろの養生であり、それがしっかりしていればことさらサプリメントやとくほを服用する必要はないはずである。もっとも、きちんとした食事をしたいと願っても、この頃は安全安心な食材が手に入りにくい困った事態となっている。		今テレビのコマーシャルで目立つのが健康食品のたぐいだ。利用者の声などが紹介され、いいことづくめだが、自分には素直に信じられない。    洗剤のコマーシャルだって、真っ白になるなんて言っているが汚れがそんな簡単に落ちるものではないし、もし本当に落ちるとしたらなんだか怖い気がする。    ともかく話半分どころか、「話四分の一」ぐらいに聞いておいた方がよかろう。
		（2011年1月14日）