イタリアアルプストレッキング その10
ヴァルサヴァレンシュからヴァル・ディ・レーム
7月8日(土) 膝痛と風邪の具合が悪くなった二人は峠越えをやめて、荷物と一緒にヴァル・ディ・レーム(レーム谷)のホテルへ直行することになる。 今日もアルテヴィエ2のコースをたどる。ハードではなさそうだが、やや長い。 ホテルの目と鼻の先で車道から分かれる。初めは牧草地だがすぐにカラマツ林に入る。10分ほどして振り返ると、グランパラディゾの頂上あたりがわずかに顔をのぞかせている。今日は対岸から眺めることになるので楽しみだが、午前中はほぼ逆光気味なので具合が悪い。 |
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ホテルを出てすぐに牧草地に入る |
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1時間半ほどで樹林帯を抜け、傾斜は落ちて放牧地となる。 |
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上の放牧地に出る |
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牧舎が散在する伸びやかな草原の中に緩やかな道が続く。気持ちの良い場所だ。行く手左側にはグランパラディゾが白く輝いている。 |
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右寄りグランパラディゾ 左端はエルベテーか |
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左モンタンダイネから右へシャフォロンまで |
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草原一帯はお花畑。 対岸には右からシャフォロン(3640m)、トレセンタ(3609m)、グランパラディゾ、ピッコロパラディゾ(3926m)、モンタンダイネ(3838m)、そして前山(プンタ・モネイ3273mか)の後ろにエルベテー(3778m)からグランセルツ(3552m)
などグランパラディゾを盟主とするく山群が一望できる。 やがて目の前に池が現れる。ジョーアン池だ。高度は2510m。オタマジャクシが泳いでいる。 池の上には放牧小屋があり、その上にエントレロール峠が見える。峠との高度差は500mあり、これからは今までのような楽な道ではない。 自転車乗りが二人、かなりの傾斜にもかかわらずこいで登っていく。 |
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そろそろ12時だが、まだ雲はわいてこない。眺めは上々だ。 オタマジャクシ |
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ジョーアン池とエントレロール峠 |
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もう一段上にもネロ池というのがある。 ネロ池 |
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左端はピッコロパラディゾ |
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池を過ぎると次第に足元がガラガラになってくる。こんな所でも自転車は構わず登っていくのだからえらい。 大きなジグザグカーブの所で上から自転車が降りてきた。どうやらエントレロール峠で引き返したようだ。岩くずだらけの急で狭い道を結構なスピードで走り下りる。トルレジアンもここを降りるのだが、自転車にとっては一層厳しいコースだろう。 トルレジアンのコースを示す標識 ネロ池から1時間余りでエントレロール峠到着。イタリア人とフランス人ら数人がいる。レーム谷から上がって来たようだ。 |
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エントレロール峠 |
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愛想の良いフランス人男性が、目の前のプンタ・ペルシャ(3212m)に「すぐだから登ってみろ。とても眺めがよい」と勧めるも、もう2時を回っているので割愛。 峠から下り始めるとすぐに急な岩場となり、鉄の足場が据え付けられている。こんな所が他にもあるかもしれないが、ここは特に問題なく通過。 峠の前後はどこも大体ガラ場になっている。今日と同じように、固定ロープや鉄の足場が設置された場所もいくつかはある。 |
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ガラ場が終わると広大なお花畑。高度2500mぐらいで浅い谷寄りを行く部分に残雪があったので、蜂蜜などをかけてかき氷を味わう人も。 |
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プラン・ディ・フェイという開けた場所に、放牧小屋の跡だと思うがちょっと不思議な建物があった。 |
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プラン・ディ・フェイ |
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次第にグランルッセー(3607m)あたりか対岸の山が見えてくる。ただこれからレーム・ノートル・ダムまで思った以上に時間がかかってしまった。 |
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レーム谷の上流に大岩壁を擁するグランタパレイ(3387m)が頭を見せるようになると、眼下に道路も見えるようになり、ノートルダムへはほんの一投足。 |
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グランタパレイがチラリ |
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ノートルダムの集落 |
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ノートルダムの教会とグランタパレイ |
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ノートルダムに着いてホテルはどこかと探すに見当たらず、村人に尋ねると1キロほど下流だと言う。着いたと思って抜けた力を奮い起こしてさらに20分ほど歩く。もう6時だ。 今宵の宿はホテルアルテミージャといい、村はずれのシャナヴェイ地区に位置する。目の前に小さなスキー場がある。 アルテミージャはホテルと言うより、日本風に言えば旅籠といった風情。古い石造りの建物で、特に食堂は窓がなく穴倉みたいな感じで、柱や天井が曲線を描き、古いヨーロッパ映画に出てくるような重厚なたたずまいをしている。 今日と明後日ここに泊ることになっており、マダムは荷物を部屋に置いたままでよいと言ってくれた。 |
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ホテルアルテミージャ |