山旅紀行

       イタリアアルプストレッキング             その３  グレッソネイからアヤスへ

                                                            

６月２７日（火)
  ホテルから送迎車でサンジェアン北のシェモナルへ。駐車場から直に山道が始まる。目の前は急斜面で、ほとんど真上に建物が見え、ドライバーはあれがアルペンツー小屋だと言う。あんな所までどうやって登るのかと思うほどだが、ここはアルテヴィエのメインコース、ちゃんとした道がついていた。
    		 
出発点
   
   初めのうちはカラマツ林の中を行くが、道脇にはヤナギランや白いタカネバラが目につく。
   アルペンツーには標準コースタイムにさほど遅れることなく到着。今日はグレッソネイ谷からアヤス谷へと山並みを横断する。標高2807mのピンテル峠を越えてシャンポリュックまで行くので、なるべくこのペースを保ちたい。
   アルペンツー小屋は静まり返っており、宿泊客がいる風ではない。小屋から上の斜面は放牧地となっており、たくさんの牛があちこちで草を食んでいる。上方から二人のハイカーが降りてくるのが見えた。
   人が通った跡や牛の道がいっぱいあってどれが正しいコースなのかわかりにくく、どうやら左に外れてしまったようなので草の斜面を右へ右へとトラバースして		  
白花のタカネバラ
やっと正規の道に出た。
   その後ははっきりした道となるが、アルテヴィエのメインコースにしてはなんとも狭いのが意外だった。

    		 
   アルペンツー小屋を見下ろす
    開けた谷あいの岩石がゴロゴロする草原を緩やかに登っていく。もうだれ一人会うことがない静かなコースだ。

   
          キンポウゲやキンバイソウなどが群生		    
  ピンテル峠
   ピンテル峠を乗っ越すと反対側に大小三つの池があり、時間に余裕がありそうなのでその池へ寄り道することにした。
   峠から緩やかに下り、池への道に入る。ほとんど水平の道だ。両側に小さな池があり、その先に大きめの池がある。池に山影が映ればさぞきれいだろうが、山の上部は雲に覆われている。
   大きな池の末端まで行くと、急な谷となって水が流れ落ちているのでもと来た道を引き返す。
    		  
峠から池を見る

   
     
  クネアツ 
   取り立てて問題なくクネアツの小集落到着。ここまで来るとようやくハイカーがちらほら現れる。
   ほどなく自動車道となり、スキー場に出る。シャンポリュックまで歩くつもりだったが、幾人かが疲れたのでゴンドラに乗りたいと言い出す。もう５時でゴンドラは止まっているように見えたが、乗る人が来たら動かす仕組みのようだった。
   ゴンドラから教会が見える。今宵のホテルはこの教会の向かいにある。ゴンドラ山麓駅からはやや離れている。
   ゴンドラ乗り場近くにスーパーマーケットがあったので買い物を済ませてからホテルカストールに入る。
   ２５年前の春、アヤス谷ガイド小屋からスキーでアヤス谷を下り、林道の終点からチャーターした車でシャンポリュックを通ったのだが、その時の記憶は全然残っておらず、まるで初めての場所だ。		    
             シャンポリュックの街角