（2）富良野岳      4月23日(月)           

北海道は我々が到着するまで何日もよい天気が続いたらしいが、それも昨日で終わって今日は雨となりそうだ。朝のうちにできるだけ登っておこうと思って富良野岳に向けて出発。    出発点は白銀荘のごく近く、国民宿舎方面と白銀荘方面の分岐点すぐそばだ。前日上富良野町内へ買い出しに出かけた帰り道にヌッカクシ富良野川の徒渉点を確認しておいた。容易に渡れそうで、対岸にもトレールが付いている。    バーデンかみふらの向かいのバス停のまわりに除雪された空間があり、そこに車を止めて歩き始める。出発時、既に富良野岳頂上は雲に隠れ、やっとホコ岩あたりが見え隠れする程度だ。    道路からわずかの下りで川底に降り立つと、堰堤のすぐ上に板を渡してあって濡れずに川を横切ることができた。
		出発、山頂部はすでに雲の中
道路脇の雪壁を乗り越える		川底に降りる
濡れずに渡れる		対岸に上がる
		小橋を渡った所でスキーを履き、対岸の北尾根末端台地へ上がる。台地をしばらく進んだ後直進するトレールと別れて右斜めに進路を変更する。ここにもかすかな古いトレールがある。    台地を横切って狭い谷に出合う。ベベルイ川だ。滝と思われる急な岩の下までシールのまま滑り込み、ジャイアント尾根の側面に取り付く。やや急な斜面を登って滝の上に回り込むと少し傾斜が落ちる。高度は1100mぐらいだ。
大木が多い北尾根末端台地
ジャイアント尾根下部		ジャイアント尾根下部を滑る
今日も出発時から強風が吹き、しかも登るにつれて天気は悪くなっていく。雨が降り出し、高度1300mぐらいになると雪に変わってきた。しかも風はまともに立っていられないこともあるほどだ。その上寒くなってきた。さらに悪いことに視界もよくない。    1340ｍ地点でひとまず風を避けて休憩することにしたが、だれ言うともなく今日はもう無理だという雰囲気に包まれてきた。そこであっさり退散と決定。まともな写真を撮る暇もなかった。    昨日と打って変って雪は柔らかくて滑りを楽しめるような状態ではない。 帰りは滝の上から北尾根へ斜滑降で渡る。    昼前に白銀荘に戻って後は温泉を楽しむ。
		行く時より雲が低くなっている

     昨年5月、吹上温泉からの帰りに富良野岳の大きな山肌にいくつかのシュプールが刻まれているのを見て、いつか必ずここを滑ってやろうと決めたところ、さっそく次の年にその機会に恵まれた。そういうわけで今回は富良野岳が第一目標だったと言えるかもしれない。それだけにこんな結果に終わって大きな課題が残ってしまった。
   次また北海道に来ることができれば、ぜひ富良野岳と十勝岳をやっつけたい。