然別峡

おもしろ出湯の旅

北海道の露天風呂　　　　

（５）然別峡温泉

大雪連峰の南方に然別湖という小さな湖がある。湖の西岸には然別湖畔温泉があるが、湖の北西７ｋｍほど離れたシイシカリベツ川の上流域は然別峡と呼ばれ、この川沿いに温泉が湧く。一番知られている菅野温泉旅館は目下休業中で、近く再開するといううわさもあるが、２０１２年初夏に訪れた時にはなんだか廃墟みたいな状態だった。

ここで取り上げるのは旅館のことではなく、純然たる露天風呂についてである。名が通っているのは然別峡野営場のすぐ先というか隣と言ってよいほどに近い「鹿の湯」だが、この辺の露天風呂はこれだけではない。だが知らない者が行っても、どこにあるか見当もつかない。
その中で、キャンプ場から２ｋｍばかり上流にある露天風呂はすぐそばまで車で行けるし、比較的見つけやすい。


川べりにある鹿の湯	鹿の湯は湯舟が二つ簡単な脱衣所もある


鹿の湯は当然混浴水着不可	然別峡野営場この日がオープン日

	キャンプ場からミギフタマタザワ川に沿った未舗装の林道を少し行った上流にもう一つ露天風呂がある。名前があるかどうかわからない。車を止めて数十ｍ細い道を川に向かって下りていくとそれはある。ここにあるのは湯舟と沢水を引き込むホースだけだ。衣服は周りに脱ぎ捨てる。湯は熱めなので加水する必要がある。鹿の湯は若干人くさいけれど、ここは全く自然の真っただ中。谷あいの景観が素晴らしい。人里離れているので熊には注意しましょう。
上流にある露天風呂




周りは緑一色	湯舟から頭上を見上げる

僕が行ったのはちょうど然別峡野営場のオープン初日で、何人かの人が木を切ったり草を刈ったりと準備作業をしていた。
そのうちの一人に、他にも露天風呂があるということだがと尋ねると、上流歩いて行けるぐらいの所に一つあると教えてくれた。
情報はそれだけだが、勘を働かせてなんとなくそれらしい雰囲気を感じて車を止めると、川に向かって一筋の道が伸びている。
タオルを持ってそれを辿ると途中から湯舟が見えるようになり、万歳、あったぞーと声を出しながらそこに向かった。、